人生をどう選択していくか、生徒に寄り添い並走しながら考える。
普通科 進学コース
宮﨑 祥臣先生
(数学)
「分かる」という手ごたえをつかんでもらうために工夫を
数学に対しては、数学コンプレックスというか、どうも苦手な生徒が多いようです。そのため、授業では眠たくならないように自然と話に入れるような空気をつくったり、「あ、分かる」と思ってもらえるようにかみ砕いて説明したりといったことを心掛けています。
私が美萩野女子に赴任してきたとき、当時の校長先生が作家の井上靖さんのこんな言葉を引用していました。
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」
この言葉が、自分の中で数学を教える際の基本になっています。生徒たちは「分かる」ということに対しての意欲がとても強いので、分かる説明だと思ったらみんな熱心に聞いて意欲的に授業に参加してくれるので、こちらとしてもうれしいですね。
普通科の3年間で将来の自分の姿を思い描けるように
商業科や看護科の生徒は、その先の目標がはっきりしていて専門学科を選んでいます。一方、普通科の生徒にとっては、将来の自分の姿を探そうという高校3年間であって、商業科と看護科とはそこが違います。例えば看護科の生徒は、何のために勉強するのかという目的がはっきりしています。行動一つ一つ、生活一つ一つに、看護師になるためにはというものが掘り下げられてきますが、普通科の生徒にはその前提がないため、関わり方が違ってきます。ただ、普通科の生徒も自分に合う仕事や目標を探したいと思っているはずです。一緒に人生をどう選択していくのか。ナビゲートするというより、生徒と並走して考えていくという感覚です。
ちゃんと目的があれば大学に行くべきだし、専門学校でも短大でも、もちろん就職でもいい。その先に何の目的があるかを探しに普通科へ来たのだから、一緒に探そうという話を生徒にはしています。自分一人ではなかなか掘り下げられない気づきを、一緒に並走しながら聞き出して気づかせる。そういうことが軸になっているのが、普通科の特徴ではないでしょうか。
対話できる力を持ち人と自然に関われるようになってほしい
どの道に進むにしても、対話できる力を持っておくことは必要です。自分一人で生きていくわけではありませんから、生徒には人と上手にというか自然に関われるようになってほしいですね。
高校という場であれば、人と関わっていくことは避けられません。楽しいこともきついこともいい経験として次につながるように、大人として生徒たちには接していきたいと思っています。美萩野女子は、よく先生と生徒との距離が近いといわれますが、僕自身そこがこの学校の好きなところです。
先生たちといろいろ話をしたいと思うなら、ぜひ美萩野女子に来てください。本当に生徒一人一人を大切にしたいと思っている先生が多い高校です。友達であれ先生であれ人と関わる時間を大事にしたいなら、美萩野女にはその環境が整っています。