自分の将来像から逆算して進路を選ぶことで、ミスマッチを防ぐ。
進路指導部長
小畠 匡貴先生
(理科)
自分の夢や目標の延長線上にあるのが進路
高校3年間は将来を決めるといってもいいほど大切な時間です。高校生の進路の選択肢は、基本的に進学か就職で、進学した場合も結局は就職しますから、将来就きたい仕事から逆算して学校を選ぶとミスマッチが防げます。このミスマッチを防ぐということが進路指導の一つの軸だと考えています。
もし、自分の就きたい仕事が高卒求人にあるなら就職してもいいでしょう。高卒求人にないなら、進学しないとその仕事には就けないので、そこから学校調べが始まります。ここで大切なのは、偏差値から進学できる学校を選ぶのではなく、就きたい仕事から学校を選び、さらにその学校に進学するためにはどれくらいの学力が必要かを明確にしていくことです。
人生を左右する選択になるからこそミスマッチがないように
高校生にとっての進路の選択は、人生を左右する選択といっても過言ではありません。自分に何ができるのか。これから先の長い人生を有意義で豊かなものにするためには、自分の好きな仕事をするのが理想でしょう。進学する学校を選ぶのは、結局は仕事を選ぶのと同じと考えれば、この高校3年間は1日も無駄にできません。
美萩野女子では、入学して6月には第1回目の進路説明会を行います。すでに進路指導は始まっているのです。この先どう進むのか、人生を左右する選択でミスマッチがないように、まずは自分の就きたい仕事や興味のある仕事について知り、深く学んでいく時間を多くつくっていくのが1、2年生のときの進路指導の在り方ではないかと思っています。
まずは視野を広げいろいろなことを知った上で選択を
中には、将来何になりたいかまだ分からないという生徒もいます。そういう生徒に対しては、まずいろいろな情報を知ることから始めてもらいます。知らなければ何も見えてきません。今はスマートフォンなど情報を手軽に調べられる便利なツールがありますから、そうしたツールを上手に活用していくことも考える必要があるでしょう。
高校時代の1つの選択によって、自分の将来が決まるかもしれない。そう考えたら、視野を広げ、いろいろなことを知った上で、その中から1つないしは2つ3つを選ぶことを1年生のときにまずやってみようということです。それが興味関心につながっていくはずです。進学するにしろ、就職するにしろ、目標が決まれば、あとはそれに合わせて勉強を頑張るだけです。
普通科でもこれからの社会に必要な資格を取得
知ること、知識を広げていくことという意味では、美萩野女子は医療系に強いという特徴があります。看護科があり、また関連校に三萩野臨床医学専門学校と美萩野保健衛生学院を持っているので、医療系に進みたい生徒には最前線で働いていた先生方にいつでも相談できるし、体験談を聞くこともできます。
また、社会に出たとき役に立つように、普通科でも一般的な漢字検定、英語検定などに加え、「リテラス論理言語力検定」を導入しています。これは、学力だけでなく自分のことを相手に伝える表現力、話がどんな内容かを聞く読解力、説明するときに必要な語彙力を測定するものです。社会に出たら、いろいろな話を自分の中で整理し、ちゃんと自分の思いを伝えるといった力が求められます。そのため、この検定にも力を入れ、年に1回受検しています。偏差値のように成長の度合いを数値で測ることはできませんが、就職や進学の際に志望理由書の作成や作文、面接で落とされる生徒はほとんどおらず、進路を決定することができています。
この3年間でミスマッチを防ぎながら目標をどう定めていくか。そこを大切な軸に据え、進路指導に取り組んでいきたいと考えています。